研究課題
高出力超短パルスレーザー光はその高い瞬時電界強度から、理化学研究や産業応用に関して高い関心が寄せられ、現在ドイツなどを中心に精力的に研究が進められている。本研究では安価で高効率・高出力な超短パルス光源の開発を目的とし、(1)共振器条件・非線形効果計算コード開発、(2)新レーザー材料研究、(3)結晶とヒートシンクの接合技術開発、および(4)実際のレーザー発振実験などを行ってきた。(1)数値計算では非線形レンズ効果を考慮した共振器設計および自己位相変調効果を考慮した共振器内パルスの振る舞い計算をする事が可能となり、高出力超短パルスレーザーを設計する上で基礎となる重要な計算結果が得られている。(2)新材料研究では企業より提供を受けた新材料に関して、分光特性、非線形特性、及びレーザー特性などの評価・フィードバックを行ってきた。(3)(4)においてはInSn半田を用いた結晶とヒートシンクの接合を行い、レーザー発振に成功し、Yb:Y2O3セラミックレーザーにおいて連続発振出力70Wを得ることに成功した。70W発振時においても熱的な問題は発生しておらず、より一層の高出力化も可能と考えられる。また上記以外にも近年、加工などの分野でおおきな注目を集めているラゲールガウシアンモードレーザーについても研究を行った。本年度は特に連続発振においては大きな進展があり当初の予測を超える出力と効率を得ることに成功した。実施計画書に記述した半導体可飽和吸収体モード同期発振に関しても、共振器設計、結晶接合はすでに行い現在レーザー発振実験を行っており、今後の大きな進展が期待できる。
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