研究課題/領域番号 |
20340120
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
芳野 極 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (30423338)
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研究分担者 |
山崎 大輔 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (90346693)
米田 明 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (10262841)
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 教授 (40260666)
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キーワード | 差応力 / 部分溶融 / ペリドタイト / 高温高圧 / 変形実験 / アセノスフェア / 物性 / 微細構造 |
研究概要 |
アセノスフェアは、上部のプレート(リソスフェア)に対して柔らかい部分であるが、"何故柔らかいのか?何故異方性があるのか?"といった問題は、いまだに解明されていない。主要な原因として、部分熔融説とオリビンの含水化説の2つが有力な仮説である。本研究は、アセノスフェアで一般に観測される地震波の低速度層、高電気伝導度異常の原因と異方性の原因を、最大深さ100km(圧力3GPa)、最高温度1550℃の条件で部分溶融ペリドタイトの高温高圧変形実験を行うことにより、解明することを目的とする。部分溶融ペリドタイトの高温変形実験は、今まで数多く行われてきているが、ほとんどの実験はアセノスフェアで予想される圧力に比べ、非常に低い封圧下でしか行われていない。ペリドタイトの初生メルトは圧力の上昇につれ、組成が玄武岩質からピクライト質、コマチアイト質に変化するので、部分溶融メルトはオリビンの粒界を濡らすようになる。粒界の濡れが大きくなると剪断強度は著しく低下するので、部分溶融ペリドタイトは圧力の上昇にしたがい、より柔らかくなることが期待される。実際のアセノスフェアの圧力は2GPa以上なので、そのような圧力下での部分溶融ペリドタイトの変形実験が求められる。 本年度は、岡山大学・地球物質科学研究センターに敷設されている6方圧し+独立ピストンを備えた変形試験器の改良を行った。この変形試験器は導入された時期が10年以上前であるため、システムが古くDOS/Vでプログラムが書かれている、静水圧発生の1段圧しマルチアンビルと変形試験に必要な微少変位システムのプログラムが独立に書かれているなど、不具合が非常に多い。そこで、本年度はその不具合を是正するために、マイコンのインターフェースの更新およびWindows上で操作可能な対応プラグラムの作成を行った。このプログラム更新は、当試験器を開発した住友重機テクノフォートに依頼し、直接経費の約2/3をあてた。高圧変形実験コントロールシステムの整備は平成20年度末に完了し、高温高圧変形実験を支障なく進めることのできる下地が整った。
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