• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

金星大気のモデリングによるスーパーローテーションの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20340126
研究機関東京学芸大学

研究代表者

松田 佳久  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60134772)

研究分担者 高木 征弘  東京大学, 理学系研究科, 助教 (00323494)
今村 剛  独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (40311170)
橋本 成司  岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10372658)
キーワード金星大気 / 惑星気象学 / スーパーローテーション
研究概要

昨年度までに作成した金星大気に適用可能な新しい放射モデルを用いて、金星の温室効果を定量的に検討し、放射平衡温度分布、鉛直対流の有無や分布・強度、雲層の温室効果に与える影響などを詳しく調べた。その結果、二酸化炭素の吸収線形が温室効果に与える影響がはじめて定量的に示され、吸収線形としてはFukabori et al.(1986)またはMeadows and Crisp(1996)によって提案されたものが適当であることが明らかになった。これらの結果の一部はJournal of Geophysical Researchに報告し受理された。
次に、新しい放射モデルを用いて現実的な金星大気シミュレーションを行う準備として、平均子午面循環モデルと灰色大気の近似を用いた放射モデルを結合し、2次元の大気循環の数値実験を行った。その結果、吸収係数の大きさが圧力に依存しない場合は浅い子午面循環、圧力の1次に比例する場合は深い子午面循環が得られた。前者は安定成層流体中の水平対流の理論(Kimura,1975)によって子午面循環の深さがうまく説明できることがわかった。後者ではほぼ全層で鉛直対流が生じた。これは、吸収係数が下層ほど大きくなるので、放射平衡が断熱勾配を超えやすいためと考えられる。得られた南北温度差、流速の大きさはゴリツィンの次元則に基づく松田(2005)の見積もりとほぼ整合的であるが、従来のニュートン冷却を用いたGCMの結果(例えばYamamoto and Takahashi,2004)ではこれらの値よりもかなり大きくなっている。現実の金星下層大気では、南北温度差が温度風バランスによって支えられている可能性があり、その場合は今回の結果よりも南北温度差は大きく、子午面循環の流速は小さくなると考えられる。したがって、この結果は、現実の金星大気の子午面循環が従来の数値実験による推定よりかなり小さいこと、熱潮汐波メカニズムが子午面循環によって妨げられず、現実の金星大気中でうまく作動する可能性があることを示唆している。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] Influence of CO_2 line profiles on radiative and radiative-convective equilibrium states of the Venus atmosphere2010

    • 著者名/発表者名
      Takagi, et al.
    • 雑誌名

      J.of Geophys.Res. (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hemispherical distribution of CO above the Venus' clouds by ground-based 2.3um spectroscopy2010

    • 著者名/発表者名
      Iwagami, et al.
    • 雑誌名

      Icarus 207

      ページ: 558-563

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cloud structure in Venus middle-to-lower atmosphere as inferred from VEX/VIRTIS 1.74um data2009

    • 著者名/発表者名
      Satoh, et al.
    • 雑誌名

      J.Geophys.Res. 114

      ページ: E00B37

    • 査読あり
  • [学会発表] 放射輸送を考慮した金星大気における平均子午面循環の数値シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      高木征弘・松田佳久
    • 学会等名
      第11回地球流体力学研究集会
    • 発表場所
      九州大学応用力学研究所
    • 年月日
      2010-02-18
  • [学会発表] 放射輸送を考慮した金星大気循環の数値シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      高木征弘・松田佳久
    • 学会等名
      第24回大気圏シンポジウム
    • 発表場所
      JAXA・宇宙科学研究本部
    • 年月日
      2010-02-18
  • [学会発表] 金星大気の平均子午面循環2009

    • 著者名/発表者名
      高木征弘・松田佳久
    • 学会等名
      日本気象学会2009年度秋季大会
    • 発表場所
      アクロス福岡(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2009-11-25
  • [学会発表] 金星大気の放射伝達モデルの開発-ハビタブル惑星の大気放射モデル開発に向けて2009

    • 著者名/発表者名
      高木, 他
    • 学会等名
      ハビタブル惑星ミニワークショップ
    • 発表場所
      東京都三鷹市・国立天文台
    • 年月日
      2009-08-18
  • [学会発表] 海洋形成条件・レビュー2009

    • 著者名/発表者名
      はしもとじょーじ
    • 学会等名
      ハビタブル惑星ミニワークショップ
    • 発表場所
      国立天文台(三鷹市)
    • 年月日
      2009-08-18
  • [学会発表] Development of a radiative transfer model for the Venus atmosphere2009

    • 著者名/発表者名
      Takagi et al.
    • 学会等名
      AOGS 2009
    • 発表場所
      Singapore
    • 年月日
      2009-08-11
  • [学会発表] Dynamical effects of the thermal tides in the Venus atmosphere/Influence of CO2 line profiles on the equilibrium temperature in the Venus lower atmosphere2009

    • 著者名/発表者名
      高木, et al.
    • 学会等名
      Venus Express-VCO joint science meeting
    • 発表場所
      Sagamihara, Japan
    • 年月日
      2009-06-30
  • [学会発表] 金星大気の放射伝達モデルの開発(2)2009

    • 著者名/発表者名
      高木征弘, 他
    • 学会等名
      日本気象学会2009年度春季大会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2009-05-28
  • [学会発表] 金星の雲の話2009

    • 著者名/発表者名
      はしもとじょーじ
    • 学会等名
      惑星大気研究会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2009-05-27
  • [学会発表] プラネットCの観測計画2009

    • 著者名/発表者名
      今村剛・金星探査グループ
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2009-05-19
  • [学会発表] 金星大気の放射伝達モデルの開発2009

    • 著者名/発表者名
      高木征弘, 他
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2009-05-16

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi