研究課題
初年度において、すでに開発済みの鉛直自由落下式微細構造プロファイラーTurboMAP2に、連携研究者(有馬)が設計した主翼と尾翼を取り付け、水槽および実海域でのTurboMAP-Gliderプロトタイプの水中飛行テストをおこない、得られたデータと実験のもとにTurboMAP-Gliderを設計した。本年度は、この新型の測器TurboMAP-Gの動作実験を九州大学応用力学研究所の大型水槽で行った。水槽実験によりTurboMAP-Gの水中での動作状態を把握することを試みた。実験の結果、TurboMAP-Gは潜行中、予想以上の振動が発生しており大幅な修正をかけなければ乱流観測が困難であることが分かった。試行錯誤の結果、尾翼部分の材質と形状を設計し直すことにより許容レベルまで振動を抑えることに成功した。初年度のプロトタイプを用いた実海域での実験よりから、TurboMAP-Gを観測船から安全に海上に着水させ、観測終了後に破損させることなく回収するために、専用のランチ・リカバリーシステムを設計し、作成した。TurboMAP-Gは負の浮力によって生じたベクトルをもとに前進し、主翼によって揚力を発生させる。全体の構成を複雑にしないために内部での浮力調整は行っていない。このためプロファイラーの後部にケーブルを取り付け回収しなければならない。そこで本体を回収するウインチシステムを小型漁業用巻き取り装置を応用して作成した。さらに、フロント構造を的確にとらえるため、曳航式自由落下型CTD装置(Sailing Boat Profiler, SBProf)のプロトタイプを開発した。この装置は既存の小型CTDと小型のケーブル巻き取り装置で構成されており、観測船を走行させながらフロントの構造を捉えることができる。今後さらに開発することにより将来的にはフロントの位置をリアルタイムで把握することが可能である。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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International Offshore and Polar Engineering Conference (ISOPE-2010), (2010.06) (in press)(CD-ROM)