研究概要 |
平成22年度も引き続き大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの激光XII号-HIPERレーザーを使用して平板および弾丸加速・衝突実験を行った(波長1054nm,パルス幅20ns,エネルギーは数百Jから数kJ;集光径は平板飛翔体の場合~500μmφ,弾丸飛翔体の場合~100-200μmφ).厚さ30ミクロンのタンタルシートおよび0.1-0.3mmのアルミニウム,金,ダイヤモンドの弾丸を用いた.タンタルシートは秒速10-25km以上,弾丸はサイズ・材質に応じて秒速8-60kmまで加速され,輝石,硫酸塩岩,玄武岩,かんらん岩,石膏,シリカビーズ焼結体などへの衝突実験を行った.弾丸の衝突により発生した蒸気雲からのX線計測に成功した.エネルギーはおよそ入射粒子の運動エネルギーの~0.1%であった.X線が衝突蒸気雲の物理・化学状態を調べるプローブになる可能性があり,来年度以降も観測波長や衝突条件を変えて計測を続行する また,昨年度構築したVISAR光学系を酸化マグネシウム(MgO)の状態方程式計測に適用した.MgOは高圧での振る舞いが未解明であったが,今回,二段式軽ガス銃では達成が困難な超高圧での状態方程式の計測に成功した.VISAR光学系の有効性が確認されたので,さらに計測の信頼性を高めるために,来年度も引き続きMgOおよびその他め鉱物などの状態方程式データを増やしていく予定である
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