研究概要 |
原始惑星表面においては,岩石も蒸発すると言われている高速度(秒速10km超)での隕石衝突が起こっていたが,既存の飛翔体加速装置ではこのような速度に弾丸を加速することは難しかった.つまり,これまで原始惑星における衝突・蒸発過程を室内実験により研究することは出来ない状況にあった.このような状況のもとで,本研究では大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの激光XII号レーザーを用いて効率よく球状飛翔体を秒速10km以上に加速する技術を開発して室内で衝突実験を行い,原始地球などで衝突が大気形成にどのような役割を果たしたのかを理解することを目的としている.具体的目標としては (1)高出力レーザーを使って弾丸飛翔体を秒速10-30kmへ加速する技術の確立 (2)秒速10kmを越える超高速度衝突による岩石の衝突実験:クレーターのサイズ,発生蒸気・溶融物の質量,蒸気の膨張速度,温度,2途中・最終生成物の化学組成 (3)衝撃波の減衰を測定:蒸気,液体の質量,破壊される領域の大きさの算出 (4)実験結果を惑星大気形成過程に適用
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