研究課題/領域番号 |
20340131
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
黒田 友二 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (80343888)
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研究分担者 |
小寺 邦彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 客員教授 (70343887)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 室長 (50354494)
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キーワード | 太陽活動 / 紫外線変化 / オゾン / 対流圏成層圏結合 / 環状モード / 極夜ジェット振動 / 子午面循環 / 子午循環 |
研究概要 |
南半球晩冬期の活動期における環状モード(SAM)のQBOと太陽活動による変調をERA40とinterimデータを結合させた1968年~2007年及び、より精度が高まった1979年~2007年のデータで調べた。また1979年~2007年については衛星観測のオゾンデータを用いオゾンの変調に果たす役割についても調べた。太陽活動の影響については、高太陽活動期(HS)には信号が上部成層圏へと延びるとともに引き続く夏季にも大きな相関を持つが、低太陽活動期(LS)は伸びは小さく持続性も殆どないことがわかった。QBOと太陽活動両方の効果を取り入れた場合は両者重ね合わせ的な性質となり、特にHSかつQBOが東風の場合に信号の夏季への持続性が高まることがわかった。また、オゾンについては、HSではオゾンや下部成層圏温度の偏差の持続性が高まるが、LSではそのような持続性がないこと、またQBOが東風の場合は、気候値的に下部成層圏のオゾン量が多く、また全オゾンで見た場合の持続性は低いものの、下部成層圏でオゾン偏差が持続し、下部成層圏温度の持続性も高いことがわかった。他方、北半球の冬期の寒波吹き出しについて調べ、成層圏から対流圏に影響が降りて寒波が吹き出す場合と、対流圏でプラネタリー波が増幅してその影響で寒波が吹き出し同時にプラネタリー波が成層圏に伝播し成層圏循環に影響を与える場合があることがわかった。また成層圏子午面循環の熱帯の積雲対流活動に及ぼす影響も調べ、子午面循環が強化されると雲頂高度が高くなる事がわかった。また、化学-気候モデルを用いて1980年代からの過去再現アンサンブル実験を行い、そのランから北半球環状モード(NAM)の極大と極小のコンポジットを行い、全球的な子午面循環の変化を調べ、NAMの影響が観測同様に熱帯や南半球にも有意に及んでいることがわかった。
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