研究概要 |
ロケット実験により,熱圏電離圏内に人工的に中性大気雲とプラズマ雲を同時に発生させ,可視化することによって,その運動をモニターし,大気・プラズマ結合過程の本質を世界に先駆けて解明する. [研究実績](1)大気プラズマを可視化するためのリチウムガス放出機器を設計し,日本カーリット(株)で燃焼試験を実施した.(2)2007年に実施した実験の解析から,リチウムイオンが生成されていることが判明した。大気プラズマ同時観測が確実に実施できることを確認し論文を投稿・印刷された.(3)リチウムガスの放出による熱圏大気の応答について,高解像度の2次元モデルを構築しコンピュータシミュレーションを実施した.リチウムガス放出に伴い~100秒周期の重力波が生成されることを示した.2007年のロケット実験による熱圏大気変動を説明できる.この成果は国際会議での招待講演で報告した.また,ロケット実験と衛星データを基にした熱圏・電離圏・プラズマ圏モデルを構築した.大気プラズマ分布と変動をホームページで公開している(http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~shw/space.html).(4)2011年6月にNASAワロップスでのロケット実験にリチウムキャニスターを搭載する.NASAとの打ち合わせと観測に向けて準備を行った.2011年8月にJAXA内の浦で実施するロケット実験計画と打ち合わせを行った.(5)熱圏大気のスーパーローテーションを駆動しているのは,磁気赤道上空の大気プラズマである.磁気赤道付近でのロケット実験と大気プラズマ観測衛星について提案を行い国内外の学会で紹介した.
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