研究課題/領域番号 |
20340133
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂野井 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80271857)
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研究分担者 |
笠羽 康正 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10295529)
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
鍵谷 将人 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別教育研究教員 (30436076)
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10302077)
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キーワード | 赤外天文 / 木星 / 電離圏 / 磁気圏 / 惑星 / 光学リモートセンシング |
研究概要 |
本研究は、木星極域電離圏ダイナミクスの解明を目的として、木星赤外オーロラ発光の分布とドップラーシフトを測定する高分散分光器の開発を行う。3年間の研究計画の初年次となる平成20年度には、まず観測対象である木星赤外オーロラの明るさや時空間変動の特徴などを詳細に検討し、これを観測可能とする観測器仕様を策定した。この過程で、当初の観測対象であった3.4μmないしは3.9μmのH3+オーロラ分光観測に加えて、2μmのH2中性大気オーロラの分光観測が達成されれば、研究目的である木星電離圏ダイナミクスの理解に大きな貢献が出来ることが判明した。この検討のために当初計画よりも装置仕様の策定が遅れ、年度内購入予定であったエシェル分光素子とクロスディスパーザーは次年度繰越となった。観測対象と理学目的の検討の結果、木星H2オーロラとH3+オーロラを、視野(スリット長)40秒角、空間分解0.6秒角、時間分解30分間、速度決定精度60m/sで測定できることが設計要求となり、これを達成するための光学系設計がなされた。光学設計の結果、プレートスケールを0.3秒角/pixel、レイセンオン社InSb 256x256赤外2次元検出器を用いること、エシェル分光素子で波長分解能65000以上を達成すること、ZnS、Corning9754、CaF2の硝材を組み合わせたレンズ系で低収差を満足することがわかった。平成21年は、前年度の仕様検討と光学設計に引き続き、装置に必要な物品の調達と、機構設計を実施した。具体的には、まず平成20年度研究費の繰越金でエシェル分光素子とクロスディスパーザーを購入した。また、エシェル駆動機構の製作とスリットビューアー機構の設計と製作を実施した。分光器全体の残りの機構設計と製作は平成22年度の研究費で進められる。
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