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2009 年度 実績報告書

中央構造線の連続コアによる断層帯内部構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 20340136
研究機関東京学芸大学

研究代表者

藤本 光一郎  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80181395)

研究分担者 重松 紀生  産業技術総合研究所, 活断層・地震研究センター, 主任研究員 (80308163)
WALLIS Simon  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30263065)
高橋 美紀  産業技術総合研究所, 活断層・地震研究センター, 研究員 (40470033)
キーワード中央構造線 / 断層帯内部構造 / 柱状図 / 変形の重複 / 変形条件
研究概要

本研究の目的は(1)断層帯内部構造の正確な把握,(2)MTLの履歴を明らかにする,(3)断層深部の物性と歪集中や内陸大地震発生とのかかわりを解明することである.
今年度はコアの基本記載作業に基づく断層帯内部構造の正確な把握はほぼ完了した.さらに,この記載結果に基づきコア中の断層岩が被った古応力を求めることで,中央構造線周辺の岩石が塑性変形領域から脆性領域に隆起する過程でたどった変形履歴,また各履歴に対応した断層帯内部構造を明らかにした.この際,当初各履歴に対応した構造の形成温度を,流体包有物解析により求める予定であった.しかし断層帯内部の流体包有物は断層物質の脆さのために回収が困難であった.一方,同様の目的はX線粉末による断層物質中の変質鉱物解析によって達成可能であることからX線粉末による変質鉱物解析を行った.以上により,当初目的としていた,(1)MTL断層帯内部構造の正確な把握,(2)地質学的に重要な課題であるMTLの履歴についてはほぼ目的を達成しつつある.
次に,(3)断層深部の物性と歪集中や内陸大地震発生とのかかわりを解明に向け,今後の基本戦略を立てる上での基礎データとして,断層の歪集中に伴う剪断発熱の痕跡を検証するための,炭質物のラマン分光法による解析,および脆性-塑性遷移条件付近での歪集中過程を明らかにするための,マイロナイト中の石英の結晶定向配列をSEM-EBSDによる解析,歪集中に伴う物質移動を明らかにするための全岩分析を開始した.
断層深部の歪集中過程を観測によりとらえるための基礎研究としての弾性波測定については,測定システムとしては,装置設計とシステム耕地が一応完成したが,細かい調整はまだ必要である.一方,上記記載により中央構造線周囲の断層岩は異なる変形を何度も経験しており,仮に弾性波速度が測定できたとしてもこれが,断層深部の歪週過程を観測によりとらえるための基礎研究になるかには疑問があり,今後の方策の検討が必要である.

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Large-scale folding in the Asemi-gawa region of the Sanbagawa belt, southwest Japan.2010

    • 著者名/発表者名
      Mori, H., Wallis, S.R.
    • 雑誌名

      Island Arc 19(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中央構造線断層帯掘削とコアによる断層帯内部構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      重松紀生, ほか8名
    • 雑誌名

      地質ニュース 662

      ページ: 16-22

  • [雑誌論文] 東南海・南海地震予測のための地下水等総合観測点整備について2009

    • 著者名/発表者名
      小泉尚嗣, 重松紀夫, ほか28名
    • 雑誌名

      地質ニュース 662

      ページ: 6-10

  • [雑誌論文] Age and early metamorphic history of the Sanbagawa belt : Lu-Hf and P-T constraints from the Western Iratsu eclogite.2009

    • 著者名/発表者名
      Endo, S., Wallis, S., ほか5名
    • 雑誌名

      Journal of Metamorphic Geology 27

      ページ: 371-384

    • 査読あり
  • [学会発表] 四国中央部・三波川帯の大規模褶曲2010

    • 著者名/発表者名
      森宏・ウォリス サイモン
    • 学会等名
      変成岩などシンポジウム2010
    • 発表場所
      国民宿舎みやじま杜の宿(広島)
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] 産業技術総合研究所による紀伊半島における深部掘削とその初期成果2009

    • 著者名/発表者名
      小泉尚嗣, ほか6名
    • 学会等名
      日本地震学会秋季大会
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 年月日
      2009-10-21
  • [学会発表] ボーリングコアによる中央構造線の脆性断層岩の構造2009

    • 著者名/発表者名
      重松紀生, ほか5名
    • 学会等名
      日本地質学会116年学術会議
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山)
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] ボーリングコアによる中央構造線の延性断層岩の構造2009

    • 著者名/発表者名
      藤本光一郎, ほか4名
    • 学会等名
      日本地質学会116年学術会議
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山)
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] 三波川帯・汗見川地域の大規模褶曲2009

    • 著者名/発表者名
      森宏・ウォリス サイモン
    • 学会等名
      日本地質学会116年学術会議
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山)
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] ボーリングコアから見た中央構造線の断層帯内部構造2009

    • 著者名/発表者名
      重松紀生, ほか3名
    • 学会等名
      産総研地質調査総合センター 第15回シンポジウム
    • 発表場所
      秋葉原ダイビルコンベンションホール(東京)
    • 年月日
      2009-07-02
  • [学会発表] 中央構造線を切るボーリングコア解析についての予察的報告(その1)2009

    • 著者名/発表者名
      重松紀生, ほか4名
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉)
    • 年月日
      2009-05-17
  • [学会発表] 中央構造線を切るボーリングコア解析についての予察的報告(その2)2009

    • 著者名/発表者名
      藤本光一郎, ほか3名
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場(千葉)
    • 年月日
      2009-05-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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