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2009 年度 実績報告書

走査型ESR顕微鏡による非破壊コア分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20340139
研究機関山口大学

研究代表者

福地 龍郎  山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90212183)

研究分担者 坂口 有人  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (80304666)
今井 登  独立行政法人産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, グループ長 (20356512)
キーワード電子スピン共鳴 / 非破壊計測 / 摩擦熱 / 磁化率 / 磁性 / 年代測定 / 地震 / 台湾チェルンプ断層
研究概要

平成21年度は, 走査型ESR顕微鏡の改良を行い, ピンホールの位置を円筒状共振器の底面に変更した変調磁場コイル内蔵型共振器を新たに作成した。これにより, ボーリングコアのような長い試料の連続測定が可能になった。なお, コア試料の移動及びESR装置制御のためのコンピュータプログラムに関しては, これまでに作成した計測用プログラムでも十分対応可能であった。次に, 連続ESR計測データから一次元及び二次元磁化率分布図を作成するための手法の検討を行った。特に, 標準試料に関しては, Niなどの強磁性体は地質試料との磁化率の差が大き過ぎるので向かず, 地質試料に近い磁化率を持つ常磁性体(A1等)や磁化率が既知の地質試料を標準試料として用いることが望ましいとの結論に至った。また, 台湾・チェルンプ断層掘削コア試料をマルチセンサーコアロガー(MSCL)で計測した時に得られる磁化率データとバルク試料を用いた磁力計による磁化率データが一致しなかった原因は, MSCLの印可磁場強度が約80A/mと極端に小さいことにあり, 弱い保磁力を有する超常磁性的な試料からは極低磁場で大きな磁化率が得られてしまうことが明らかになった。今後, MSCLにおいて弱い保磁力を有する試料の磁化率計測を行う場合には, 細心の注意が必要である。さらに21年度には, コア試料の微小領域を加熱するためのレーザー加熱及び温度計測システムの作成が完了した他, チェルンプ断層掘削コア試料の二次元ESR及びビトリナイト反射率計測のための研磨試料の作成が終了した。一方, 掘削コア試料のESR年代測定を実施した結果, これまで報告されている1999年集集地震時における断層活動面とは別の断層面を高温熱水が通過した可能性が高いことが明らかになり,ESRによる磁化率計測と年代測定を組み合わせることにより,掘削コアから最新の断層活動面を特定できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] ESR法による地震断層の絶対年代測定-その原理と適用限界-2010

    • 著者名/発表者名
      福地龍郎
    • 雑誌名

      月刊地球 32

      ページ: 16-23

  • [学会発表] 沈み込み帯地震発生帯のRSR熱年代学:台湾チェルンプ断層掘削計画Hole Bコアを例として2009

    • 著者名/発表者名
      福地龍郎
    • 学会等名
      日本地質学会第116年学術大会
    • 発表場所
      岡山理科大学
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] ESRびVSM法による台湾チェルンプ断層掘削計画Hole B掘削コア黒色帯の熱分析2009

    • 著者名/発表者名
      福地龍郎
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-20
  • [学会発表] ESR法による地震断層の絶対年代測定-その原理と適用限界-2009

    • 著者名/発表者名
      福地龍郎
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-16
  • [学会発表] 地層処分における年代測定法による断層活動歴の評価2009

    • 著者名/発表者名
      高橋晋
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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