研究課題
本研究の目的は、下部地殻中の流体の挙動や起源を総合的に理解するための新たな分析・解析法の開発と、それらの天然の岩石への応用である。4年間の研究期間の初年度である本年度は4つの研究テーマのうち以下の2つについて解析法の開発を行った。1.変成流体相の時間変化解析方法の開発:本年度購入した高性能偏光顕微鏡を用い、既存の加熱冷却台とビデオカメラシステムを組み合わせて、従来は測定不可能であった微小流体包有物分析システムを構築した。天然への応用として、南インドと飛騨地域の変成岩に含まれる流体包有物を分析した。特に飛騨地域の岩石は、変成作用初期においてH2O、後期にはCO2の活動がおこり、これが岩石の部分溶融や無水鉱物組み合わせの形成に影響を与えたことを明らかにした。同時に母岩の変成温度圧力履歴の解析を行った。2.流体包有物のラマン分析:フランス・ナンシー大学のラマン分析装置を用いて、流体包有物の化学組成を正確に決定し、天然の岩石に応用する方法を開発した。その結果、CO2流体には微量のCH4、C2H6、N2などが含まれることを明らかにした。これらが初生的に含まれたものか、二次的な形成物か否かは現在検討中である。以上の結果について平成20年度に国内外の学会にて24件の発表を行い、査読雑誌印刷ずみ論文7件、印刷中1件、投稿中4件、投稿準備中5件がある。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (24件)
Journal of Geodynamics 47
ページ: 107-118
Contributions to Mineralogy and Petrology 157
ページ: 731-739
Journal of Asian Earth Sciences 34
Geological Magazine 146(印刷中)
Journal of Asian Earth Sciences 33
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Journal of Mineralogical and Petrological Sciences 103
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