研究課題
基盤研究(B)
地殻深部の岩石中に存在する流体は、岩石の鉱物組み合わせを支配するだけでなく、岩石の変形や変成作用をもたらす熱の輸送に大きく関与していることが知られている。例えば温度上昇時のH2Oの存在は岩石の大規模な溶融をもたらし、温度下降時は加水反応の進行を加速させるであろう。しかしながら下部地殻中、特に高度変成作用に関与した流体に関する研究は未だ乏しいのが現状である。それどころか、下部地殻における流体の存在を疑問視している研究者もいる。申請者らは流体包有物の研究から、下部地殻に流体が存在していたことは間違いないと考えているが、「流体はもともと岩石中に存在したのか、外部から浸透してきたのか、それとも初生流体が二次的に改変されたのか?」という流体の起源と挙動に関する疑問に対して、我々は未だ明瞭な回答を得られないでいる。そこで本研究では下部地殻で形成された高度変成岩に着目し、変成作用の温度-圧力-流体史を明らかにし、流体の起源と役割を検討することを目的とする。本研究は4年間で以下の5つのテーマに着目した研究を行う。(1)変成流体相の時間変化解析方法の開発(2)流体組成のラマン分析定量分析(3)含水鉱物中のハロゲン元素の研究(4)同位体分析と流体の起源の推定(5)異なる変成帯における変成流体の変遷の比較
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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