研究概要 |
1.ザクロ石へのTi固溶量を-7613-0.944T+81.54P=Tln(X^<Grt,IV>_<Ti>/X^<Grt,IV>_<si>)と定量化した. 2.ルチルと共存する石英へのTiO_2固溶量を,1気圧~20 kbar,800~1500℃の温度圧力条件で,InX^<Qtz>_<Tio2>=-(3968+41.3P)/T-2.654と定式化できることを明らかにした. 3.1気圧~15 kbar,800~1150℃の温度圧力条件でのアルミノケイ酸塩(Al_2SiO_5)へのFe^<3+>固溶量実験から珪線石中のFe^<3+>固容量が温度圧力酸素分圧とともに増加することを見出した. 4.ナピア岩体リーセルラルセン山の変鉄岩の8~15 kbar,800℃~1150℃における相平衡再現実験から7 kbarど11 kbarの間の圧力でイルメナイト+珪線石+石英がザクロ石+ルチルへと変化することを見出した.この岩石が11 kbarの圧力条件のもとで等圧的に780℃まで冷却したことを明らかにした. 5.東南極ルンドボークスヘッタ,ナピア岩体リーセルラルセン山,セールロンダーネ山地のグラニュライトの岩石記載や精密鉱物化学分析から,この地域のテクトニクスや変成履歴を解析した. 6.花こう岩質岩および安山岩質岩の8 GPaにおける相平衡実験から,石英やコランダム成分の単斜輝石への固溶量が総化学組成に依存し,藍晶石とコース石が緩衝剤たることを明らかにした.研究成果の一部は日本地球惑星科学連合2010年大会,日本地質学会第117年学術大会,日本鉱物科学会2010年年会,第30回極域地学シンポジウムその他で発表した.
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