従来全くない方法による軸方向「超音速流形成」を行う為に、強磁場・高密度ヘリコンプラズマを生成し、それを用いた外部電磁場制御によるプラズマ流の総合的研究を目指し、2年度目は短期(4ケ月)ながら以下の成果を得た。 1.アルガンガスでのヘリコン放電で、本年度も高磁場(3kG)から低磁場(0.1kG以下)までのサーベイ(圧力、磁場配位、高周波パワーも変化)を複数の装置で行い、3kW程度で10^<13>cm^<-3>以上の高密度プラズマが得られる事を実証した。プラズマ生成効率(全プラズマ粒子数を入射パワーで割ったもの)は古典拡散でほぼ説明できた。これは理論的上限に近い高い生成効率が得られたと言える。 2.本研究のプラズマ源として低アスペクト比A(A:軸長と直径の比)も重要である。そこで終端板でプラズマ軸長を制限し直径74(40)cmで軸長が5.5(9.5)cmまで下げても、10^<12>(10^<13>)cm^<-3>の高密度プラズマが得られる事を昨年度実証した。本年度はその達成条件を外部パラメータを変えて求めると共に終端板の素材による効果も調べた。ここで上記Aはそれぞれ0.24(0.075:世界最小)である。また短軸長の場合、軸方向の境界条件で決まる離散的な軸方向波長が得られる興味ある結果が得られた。これはヘリコン波の分散関係から理解でき、数値解析結果とも比較を行い良い一致を示した。 3.軸方向高速流形成のために、完成した径方向磁場存在下での回転磁場生成(周方向電流の誘起)システム(コイル、高周波電源、整合器、真空部品など)で予備テストを行った。 4.外部周方向電流による円柱磁化プラズマの線形応答解析により電磁推力の計算を行い、本方法によるプラズマ流制御が有望である事を示した。また別方法として回転磁場型周方向誘起電流の初期解析も行った。
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