研究課題/領域番号 |
20340166
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐々木 明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10215709)
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研究分担者 |
西原 功修 国立大学法人大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (40107131)
砂原 淳 財団法人レーザー技術総合研究所, 研究員 (00370213)
古河 裕之 財団法人レーザー技術総合研究所, 副主任研究員 (70222271)
小池 文博 学校法人北里大学, 医学部, 准教授 (90095505)
西川 亘 国立大学法人岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (80243492)
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キーワード | EUV光源 / シミュレーション / 原子過程 / 放電 / レーザープラズマ / パーコレーション |
研究概要 |
レーザーと放電励起を組み合わせたハイブリッド光源の理論・シミュレーション研究を行い、その素過程としてのプラズマの輻射流体力学と原子過程の研究、および両者を統合するモデル化手法に関する研究を行った。プラズマ光源の特性を評価するためには、輻射流体力学と原子過程がカップルすることによる、複雑系としての性質を適切に取り扱うことが重要であることを明らかにした。放電が発生する際には、媒質の逐次的な電離とともに、逃走電子や輻射の効果によるランダムな電離が重要な役割を持つことを見出し、パーコレーションモデルに基づくシミュレーションによって、放電の進展の時間的、空間的性質を再現できるようにした。 このようなプラズマの特性を引き起こす素過程としての、原子過程と輻射輸送の解析を行った。理論計算で求めた原子エネルギー準位および、衝突、輻射による電離、励起の原子素過程データを用いて衝突輻射モデルを構築し、Snプラズマの輻射輸送係数の温度、密度に対する依存性を求め、電離が進行し、主量子数n=4の軌道の電子数が減少するに従って、輻射放出、吸収係数が急激に変化し、熱力学ポテンシャルの不連続が生じ、相転移様の現象やそれに伴う臨界現象としての構造形成が起こり、光源の特性に影響を生じる可能性を指摘した。 プラズマ光源の今後の応用可能性に関しては、原子適程の解析を、Dy、Tb等のイオンにも範囲を広げて行い、4d-4f遷移の発光の波長が、原子番号に対するスケーリング則を持つことを示し、実験結果との比較をも通じて、波長6.5nm域での高効率光源が実現可能であることを示した。一方、Snイオンを励起する場合よりも高温のプラズマが必要となること、励起パワーの10倍の向上が必要であることなど、実験的な課題および、プラズマの特性の解明と最適化のための理論、シミュレーションの課題、展望を示した。 研究結果の取りまとめについて、気象の関係(地震)により、研究費の一部を平成23年度に繰り越して実施した。
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