• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

生体高分子のためのマルチレベル統合フラグメント分子軌道法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20350004
研究機関京都大学

研究代表者

北浦 和夫  京都大学, 薬学研究科, 教授 (30132723)

研究分担者 仲西 功  近畿大学, 薬学部, 教授 (10362576)
キーワード生体高分子 / 電子状態計算法 / 量子・古典融合法 / FMO法 / 分子シミュレーション
研究概要

本研究では、私たちが開発した生体高分子をまるごと量子化学計算できるフラグメント分子軌道法に基づいて、低レベル(高速)から高精度(低速)までの様々なレベルの量子・古典融合法を開発する。これにより、対象とする系とプロパティに応じて、適切な計算方法を選択して用いることができるようになる。
本年度は、マルチレベル統合FMO法の開発に向けて、力場部分のパラメータを決定するための参照となるデータを収集するために、クランビンなどの小タンパク質の構造最適化計算を行った。このために、まず、静電ポテンシャル近似を用いて高速化したFMO法で、エネルギー勾配の計算の精度を向上させ、構造最適化計算を効率化した。一方、タンパク質中のランダムコイル部分や非極性の側鎖のように、構造が水素結合で強固に保持されていない場合は、簡便なハートリ・フォック(HF)レベルの計算では精度不足で、妥当な構造を得るには電子相関を考慮したMoller-Plesserの2次摂動論(MP2法)レベルの計算が必要なことが判明した。しかし、このレベルの計算は膨大な時間がかかり、力場パラメータ作成で参照するための十分な数の最適化構造を計算するのが困難であるため、電子相関を簡便な形で考慮することができるHF+経験的分散力(HF-D)をFMO法と組み合わせた方法とプログラムを開発した。この方法で妥当な構造が得られることが確認できたので、今後、FMO-HF-Dによる構造最適化を用いることにし、次年度も引き続き、FMO-HF-Dによるタンパク質とタンパク質-リガンド複合体の構造最適化を行ってデータを蓄積する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Derivatives of the approximated electrostatic potentials in the fragment molecular orbital method2009

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Nagata, Dmitri G. Fedorov, Kazuo Kitaura
    • 雑誌名

      Chem. Phys. Lett. (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Electronic structure calculations of proteins using the fragment molecular orbital method2008

    • 著者名/発表者名
      北浦和夫
    • 学会等名
      TSRC workshop on Many-Body Interactions : From Quantum Mechanics to Force Fields
    • 発表場所
      Telluride. USA
    • 年月日
      2008-07-10

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi