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2009 年度 実績報告書

金及びパラジウム触媒の配位子操作による反応性・選択性の飛躍的向上

研究課題

研究課題/領域番号 20350015
研究機関東北大学

研究代表者

山本 嘉則  東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60029519)

研究分担者 金 鉄男  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80431493)
キーワードカチオン性金触媒 / アレン化合物 / ヒドロチオル化 / アルキン化合物 / よう素反応剤 / 複素環
研究概要

1.金触媒を用いたアレンへのヒドロアミノ化及びヒドロアルコキシ化反応の相異に関する検討。本研究でこれまで行われてきた金触媒を用いたアレンへの分子間ヒドロアミノ化反応及びヒドロアルコキシ化反応の実験結果の詳細から本反応の特徴及び触媒の反応性の差異に関して研究を行った。例えば、AuBr_3触媒を用いたアレンへの芳香族アミンのヒドロアミノ化反応に対し、脂肪族アミンの反応では高い反応温度及びかさ高いリン配位子を有するカチオン性の金触媒(AuOTf(PAr_3))を必要としている。また、ヒドロアミノ化反応の不斉転写に対し、ヒドロアルコキシ化反応では不斉転写が進行しないという結果から、二つの反応は異なる反応機構を経て進行していることがわかった。
2.金触媒を用いたアレンへのヒドロチオル化反応の開発。金触媒の存在下、アレン化合物と様々な芳香族チオルを反応させると、これまでのヒドロアミノ化およびヒドロアルコキシ化反応と異なる反応が進行していることを見い出した。すなわち、AuBr_3触媒中アレンとチオル化合物は、0度で5分で反応が進行し、位置選択的良い収率で様々なチオアセタル生成物を与えた。
3.金触媒及び求電子剤によるキノリン誘導体の合成。カチオン性の金触媒(AuCl_3/AgSbF_6)を用いると、オルトー(2-アルキニル)アジドベンゼン化合物が効率的に様々なキノリン誘導体を与えることを見い出した。本反応は、金触媒の炭素-炭素三重結合へのπ配位、それに続くアジドの窒素原子の求核付加反応と窒素分子の脱離により進行していると提唱している。また、興味深いところに、ヨウ素または臭素分子を求電子剤として用いると金触媒と同様に反応が進行し、3位にヨウ素または臭素置換基を有するキノリン化合物が効率的に得られた。今後、このようなよう素または臭素など置換基の更なる変換反応を検討し、有用な新規有機材料及び生理活性物質の合成行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A Method for the Synthesis of Substituted Quinolines via Electrophilic Cyclization of 1-Azido-2-(2-propynyl)benzene2010

    • 著者名/発表者名
      Zhibao Huo, Iliya D. Gridnev, Yoshinori Yamamoto
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry 75

      ページ: 1266-1270

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gold-catalyzed hydrofunctionalization of allenes with nitrogen and oxygen nucleophiles and its mechanistic insight2009

    • 著者名/発表者名
      Naoko Nishina, Yoshinori Yamamoto
    • 雑誌名

      Tetrahedron 65

      ページ: 1799-1808

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/~yamamoto/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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