研究概要 |
フッ素置換基は、フッ化物イオンとしての脱離能を有すると共に、α-カチオン安定化効果も有している。これらの性質を併せて利用すると、フルオロアルケン・アレン類からα-フルオロカルボカチオン種を容易に発生させることができ、これを経由することで効果的かつ選択的なドミノ環化やタンデム環化を達成した。こうした反応により、高次ヘリセンなど種々のヘリセン・アセン類およびそれらのフッ素置換体を合成することができた。併せて、出発物質となる1, 1-ジフルオロアルケンと1, 1-ジフルオロアレンの簡便合成法も確立した。
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