研究概要 |
(1)本課題では隣接した複数の水酸基を有するキラルなアリルアルコール類を基質として、連続的なカスケード型シグマトロピー転位反応を行うことにより、水酸基の不斉を転写しながら複数のC-C、C-N、C-O結合を短工程で立体選択的に構築する方法論の開発と、本方法論を用いた生物活性物質の全合成研究を行うことを目的としている。[3,3]シグマトロピー転位は立体特異的に新たな結合を形成することが知られているが、この反応を連続的に行い、短工程で複数の結合生成を行う研究例は少なく、またこの方法を用いた生物活性物質合成の例もほとんどない。本研究が進展することにより、有用物質合成において効果的な新規方法論の開発・展開が可能となる。 (2)上記の目的を達成するため、以下の検討を行う (1)入手容易な糖質や酒石酸を原料とし、キラルなアリルジオールを合成し、これを基質としてワンポット反応によるカスケードClaisen転位、カスケードOverman転位の反応の開発と反応条件の最適化 (2)上記カスケード型反応を鍵とした、モルヒネ、A-315675、アゲラスタチンAの新規全合成の検討 (3)Claisen-Overman、またはOverman-Claisenといった異なる種類の連続的シグマトロピー転位反応の可能性の検討 (4)連続的Claisen-OvermanまたはOverman-Claisen転位を用いた生物活性物質の合成研究
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