2次元ネットワーク(面内周期構造)を形成するのに優れたLangmuir-Blodgett(LB)法と、分子の積層および逐次成長(面外周期構造)させるのに優れたlayer-by-layer法を巧みに組み合わせた新規手法の開発により、世界で初めて面内、面外ともに結晶性で且つナノスケールで膜厚と構造が制御された多孔性配位高分子薄膜の作製に成功した。構成要素として、安定性が高いポルフィリン分子を選択した。ポルフィリン分子に特徴的なSoret帯と呼ばれる吸収がサイクル数に応じて増加していることを確認した。20サイクルの薄層成長により単結晶シリコン基板上に作製した薄膜に関して、SPring-8における放射光XRD手法を用いてその構造の詳細を調べた。結晶構造を調べるために、バルクで報告されている類似結晶を基に構造モデルを構築しそのin-plane XRDパターンのシュミレーションを行った結果、測定により得られたパターンを良く再現し、構造の詳細を解明することに成功した。
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