研究概要 |
有機超薄膜の偏光ラマン分光測定を行うための装置の組上げを行った。ラマン分光器自体は平成20年度に導入したが,厚さ数nmの超薄膜を測定する感度を確保することと,偏向解消度の定量的な精度を確保するため,約一年にわたる調整が必要であった。初期に導入した光学部品に問題が見つかったケースが多く,特に分光器の偏光特性を取り除くための偏向解消板がうまく働かず,むしろ新たな装置関数を生み出して測定を乱す問題に翻弄された。最終的には,1/2波長板を使ってこの問題を解決することができ,きわめて精度の高い定量的な偏光ラマン分光測定が可能となった。 現在,薄膜の高感度測定の最適化をさらに進めており,全反射光学系の構築を完了し,水晶基板やCaF_2基板上の超薄膜測定と,液液界面での界面吸着種の測定に挑戦している。併せて,本課題の趣旨である非平滑界面として金属粒子薄膜のプラズモン異方性解析を進めており,偏光SERS測定として22年度に実施を予定している。
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