研究課題/領域番号 |
20350036
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 法人本部, 学長特任補佐 (60127165)
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研究分担者 |
池上 亨 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (20301252)
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キーワード | HPLC / モノリス / シリカ / 高性能化 / キャピラリー / 理論段数 / 透過率 / プロテオーム |
研究概要 |
Tetramethoxysilane(TMOS)とmethyltrimethoxysilane(MTMS)との混合物を原料とするハイブリッド型シリカモノリスの調製において、フィードにおける(TMOS/MTMS)比と濃度、相分離の開始時期を調整するpolyethylene glycol(PEG)濃度の最適化により、(1)HPLC用高速型モノリス型シリカカラム、および、(2)高理論段数型カラムの性能向上を試み、さらに高理論段数型キャピラリーカラムのプロテオーム解析への適用を試みた。(1)において、(TMOS/MTMS)比=9/1~3/1の範囲でPEG濃度を最適化した結果、シリカ量を従来より約22%増加して得られたキャピラリーカラムは、Octadecylsilyl基による化学修飾を経て、第二世代のTMOS型モノリスシリカと同等のカラム性能、すなわち2-2.5μm粒子相当の理論段高H=4.6-6.0μmと、(TMOS/MTMS)比=3/1から得られたハイブリッド型に近い保持能力を示した。これにより、保持の大きな高速型モノリスシリカカラムの調製が可能となった。(2)においても、(TMOS/MTMS)比=9/1~3/1の範囲でPEG濃度を最適化した結果、(TMOS/MTMS)比=9/2において得られたキャピラリーカラムが、従来の高理論段数型と同等の性能H=7.5-8μmと従来のハイブリッド型カラムより高い透過率を与え、5mのキャピラリーを3本接続した15mカラムシステムは80%アセトニトリル中、50MPaの圧力で200万理論段の発生を可能とした。3.5mカラムを用いる大腸菌プロテオームの解析において、40時間のグラジエント溶出を3回繰り返すことにより、ほぼ全プロテオームの解析が可能であった。以上のように、調製の容易なハイブリッド型調製条件の最適化により高速型および高理論段数型シリカモノリスの性能向上が達成された。
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