研究概要 |
HPLC用(1)キャピラリー型、および、(2)ロッド型モノリスシリカカラムの高速・高性能化について、実験的検討を行った。 1. キャピラリー型:Tetramethoxysilane(TMOS)とmethyltrimethoxysilane(MTMS)との混合物を原料とするハイブリッド型シリカモノリスの調製において、フィードにおける(TMOS/MTMS)比=9/1~3/1の範囲で検討を行い、高理論段数型カラムの透過率および理論段数の向上を試み、さらに高理論段数型キャピラリーカラムのプロテオーム解析への適用を行った。(TMOS/MTMS)比=9/2において得られたキャピラリーカラムはOctadecylsilyl基による化学修飾を経て、理論段高H=7-8μmと透過率K=1.5-2×10^<-13>m^2を与え、内径100μm,4-5m長のキャピラリーカラムにより約50万理論段、15m長の接続カラムにより約50MPaの圧力で200万理論段の発現を可能とした。大腸菌プロテオームの解析において、3.5m長カラムを用いて約40時間のアセトニトリルグラジエント溶出を3回繰り返すことにより、ほぼ全プロテオームの解析が可能となった。長いモノリス型シリカキャピラリーカラムの適用により90%以上の膜タンパク質の同定と、大量注入条件下、低濃度タンパク質の同定により70倍程度のダイナミックレンジ拡大が可能となった。 2. TMOSから調製したロッド型カラムについて化学修飾後、5cm長カラムにより8000-9000理論段、25cmカラムにより40000-45000段が得られ、2本あるいは3本を接続することにより、カラム圧10-15MPa,t_0=4-7分において、8-8.5万段および12-12.5万段が得られた。これにより2μm以下の超微粒子あるいはコアシェル粒子充填型カラムと比較して、より低圧で高理論段数の発現が可能となった。 以上のようにカラム調製法の最適化により高速・高理論段数型シリカモノリスの性能向上が達成された。
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