研究課題/領域番号 |
20350040
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
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研究分担者 |
横山 拓史 九州大学, 大学院・理学院, 教授 (20136419)
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 助教 (20268973)
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キーワード | 軟X線分光 / XANESスペクトル / 生体試料 / ポリキャピラリーX線レンズ / 溶液 / In-Situ / イメージング |
研究概要 |
本年度は、これまでに我々が作製した超軟X線分光スペクトル測定装置用生体試料測定システムにポリキャピラリーX線レンズを組み込むために米国エックスレイオプティカルシステム社とレンズの仕様について数回にわたり検討を行い、本装置に取り付け可能なポリキャピラリーX線レンズの購入をおこなった。 既存の装置はイメージング測定に対応していないが、生体試料の標準物質であるナトリウムやマグネシウム塩の水溶液の測定は可能なので、この装置の現在の性能を明らかにするため各種濃度の塩化ナトリウム水溶液および塩化マグネシウム水溶液のNa-KおよびMg-K吸収端のXANESスペクトル測定を行った。その結果、現有の装置では、約1mol/dm程度の濃度が測定限界であることが明らかとなった。また、塩化ナトリウム水溶液の測定結果は濃度によりピーク形状の変化が観測された。これはすでにAzizらによりドイツの放射光施設を用いて行った測定で同様の報告がなされており、本装置がこのような水溶液の軟X線スペクトルの測定に十分対応できることを示している。そのためこの装置にポリキャピラリーX線レンズを組み込むことでX線の強度が増し、より低濃度の水溶液の測定が可能になることが期待されるため、現在、このポリキャピラリーX線レンズを組み込むためにコリメーター部分の設計を行っている。
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