研究概要 |
平成20年度は1)α-イミノ酢酸エステルに対する極性転換を伴う3成分カップリング反応および 2) α-イミノ酢酸エステルから極性転換付加を伴うイミニウム塩の調整と反応の開発を行った。 (1) グリオキシル酸エステル由来のイミンに対して有機金属試薬を作用させることにより、C-アルキル化体生成を制御し、N-アルキル化された中間のエノラートを効率良く発生させる事ができた。さらに種々のグリオキシル酸エステル誘導体を用いてこの反応の一般性を示す事ができた。 (2) 見いだした中間のエノラート生成の最適条件下、さらにアルデヒド等の求電子剤を作用させ、連続的な3成分カップリング反応が進行する事を見出した。 (3) 基質としてアミノベンゾニトリルおよびアミノ安息香酸由来のイミンを用い、N-アルキル化に続き環化反応を進行させ、インドリン骨格を効率よく構築することができた。 (4) フェニルグリオキシル酸エチル由来のイミンに対して有機金属試薬および酸化剤を作用させることにより、N-アルキル化された中間のイミニウム塩を効率良く発生させ、C,N-ジアルキル化体生成を選択的に得ることができた。 (5) ジアルキル化反応を発展させ、イミノエステルに対し有機金属試薬及び過酸化ベンゾイル、アリルスズを用いることにより、N-アルキル化-Cアリル化反応が収率良く進行することが解った。 (6) シアン化ジアルキルアルミニウムを用いることにより、一挙にイミノエステルのN-アルキル化-C-シアノ化反応が行なえることも見出した。
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