研究課題/領域番号 |
20350053
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
南後 守 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90109893)
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研究分担者 |
山下 啓司 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90158155)
出羽 毅久 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (70335082)
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キーワード | 自己組織 / 生体材料 / 先端機能デバイス / ナノ材料 |
研究概要 |
昨年に続いて光合成膜構造を模した階層的組織体を巧みに構築し、基板上で高効率な光電変換機能をもつタンパク質色素複合体のナノバイオデバイスの開発を目指した。また、その色素複合体のSTMおよびAFM観察ならびにX線の構造解析の結果と合わせて、光合成の色素複合体の動的構造と機能との相関について明らかにした。 21年度は下記の1.および2.の項目について主に検討を行った。 1.光合成反応中心およびアンテナ系タンパク質色素複合体(LH-RC)の電極上での組織化と機能解析 人工的に調製した光合成反応中心(RC)およびアンテナ系タンパク質(LH)色素複合体(LH1-RC-His)とそれらのモデルタンパク質色素複合体の自己組織化を基板上で行った。その確認は、UV-VisおよびCDなどの分光学的手法ならびにSTM, AFMならびに導電性AFMを用いた検討から行った。また、基板上でのそれらの複合体の蛍光挙動の比較検討から、クロロフィル色素誘導体間のエネルギーおよび電子移動について分光学的手法で評価した。その結果、アンテナ系タンパク質/色素複合体複合体中での色素の配向は基板上で制御されていることがわかった。 2.アンテナ系タンパク質およびそのモデルタンパク質を用いた色素誘導体の電極基板上での組織化とその機能解析光捕集系(LH)として紅色光合成細菌を培養し、アンテナ色素複合体およびそれを構成するタンパク質(LHα& LHβ)ならびにクロロフィル色素(BCh1a)色素を単離精製した。そして、アンテナ系タンパク質/色素複合体の再構成を脂質二分子膜(リポソーム膜)中および基板(ITOあるいは金電極)上で行った。その結果、これらの複合体の形成とその光電変換機能におよぼすタンパク質のアミノ酸組成および脂質の組成の役割について検討を行うことができた。また、基板上へ人工的に組織化するために、アンテナ系タンパク質誘導体と類似した機能をもつ疎水性ポリペプチドのNあるいはC末端にSH基、S-S基あるいはHistag基をもつアンテナ系タンパク質を分子生物学的手法を用いて調製した。その結果、これらのタンパク質を用いてZnBCh1aとのアンテナ系複合体を形成させ、脂質二分子膜中および基板上に配向を制御して組織化できることがわかった。また、それらの複合体の基板上での電気化学的挙動の比較検討から、クロロフィル色素誘導体と基板間で距離に依存した電子移動が起こっていることを確認した。
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