本研究では、多様な反応場における動的共有結合ポリマーの反応性について調査し、様々な反応場において駆動する動的共有結合ポリマーの開発を目的とする。具体的には、3つの反応場(極性溶媒系、無溶媒系、無機材料表面系)に着目し研究を推進する。本研究では3つの反応場(極性溶媒系、無溶媒系、無機材料表面系)に着目し研究を行うことを目的としている。 本年度は、1)極性溶媒中と2)バルクフィルム中の反応に着手した。1)に関しては、アルコキシアミン骨格を有するモノマーと親水性モノマーとの共重合を行い、極性溶媒中における交換反応の進行を検証した。また、モデル反応を行い、極性溶媒(水・アルコール・テトラヒドロフランなど)中において、アルコキシアミンの交換反応が進行することを確認した。2)に関しては、これまでに合成した主鎖に動的共有結合を有するポリマーのフィルム状態における構造変換反応を検討した。加熱による反応のみならず光反応についても検討した。これまでに合成した主鎖型の動的共有結合ポリマーに関してフィルム状態における構造変換反応を検討した。アルコキシアミン骨格を有するポリエステル、ポリウレタンは、フィルム中での反応により分子量の低下が確認された。一方、光反応骨格を有する動的許佑結合ポリマーのフィルム状態での反応を行った結果、速やかに反応が進行することを見いだした。反応の確認は、GPC測定、NMR測定、などにより系統的に確認した。
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