研究課題
単純な分子ユニットから超分子的な手法を用いて高次構造体を組み上げる研究が次世代機能材料創成を目指して盛んに行われている。しかしながら、数nmから数十nmのスケールでサイズが揃い、かつ安定な構造体を構築することは困難である。そこで、本申請では生体超分子ナノマシーンであるウィルスを構築する部品蛋白質を用いて、形状の揃った安定なナノチューブの作成を実現し、それらを分子基盤とすることによって、従来の手法では達成できなかったサイズ領域の精密物質合成法を確立する。本申請では、既に進めている蛋白質超分子を利用した様々な機能分子の研究で見いだした非常に高い熱的安定性と耐有機溶媒性をもつ蛋白質超分子複合体を利用することによって、これまでのどの超分子的手法とも異なる精密物質合成法の新しい領域を確立する。金属錯体の集積をうまく行えば様々な触媒活性を効率よく引き出すことができる。例えば、石谷等によって報告されているRe-Ruの異種二核錯体は可視光によってCO_2還元を触媒し、その活性制御には、双方の近接効果が触媒活性に重要である。本研究では、アミノ酸置換によって、[(gp5)3]2の稜線にシステインとリシンを交互に配置し、サクシイミド誘導体の配位子をもつRu錯体と、マレイミド誘導体の配位子をもつRe錯体を、それぞれリシンとシステイン残基に結合させて、複数の異種二核錯体を[(gp5)3]2表面に固定化した。その触媒活性を調べたところ、固定化しないものに比べ、活性の向上が確認された。
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