• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

外部刺激に応答して生分解性を誘起する新規周期共重合高分子材料の創成

研究課題

研究課題/領域番号 20350072
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

阿部 英喜  独立行政法人理化学研究所, 化学分析チーム, 専任研究員 (70271541)

キーワード周期性共重合体 / 連鎖構造制御 / 生分解性 / 3-ヒドロキシブタン酸 / スイッチ機能 / 重縮合 / イオンコンプレックス
研究概要

昨年度の成果によって得られた(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-アスパラギン酸からなる周期共重合体を用いて、その構造、物性解析、および生分解性誘導スイッチ機能の発現を評価した。(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-アスパラギン酸からなる周期共重合体はいずれも結晶性の高分子物質であり、その融点は、(R)-3-ヒドロキシブタン酸ユニットの連鎖長が1~3まで伸長するとともに、114℃~91℃まで低下した。また、ガラス転移点は、32℃~14℃まで(R)-3-ヒドロキシブタン酸ユニットの連鎖長の増加とともに変化することを確認した。その後、これら周期共重合体の酵素加水分解試験をポリ[(R)-3-ヒドロキシブタン酸]分解酵素を用いて行った。周期共重合体の酵素分解反応は、(S)-アスパラギン酸ユニットの側鎖分子構造に大きく依存し、側鎖がベンジルエステルの場合には酵素分解が進行しないのに対し、ベンジル基を脱保護することによって分解反応が開始することを見出した。さらに、側鎖をフリーのカルボン酸とした(S)-アスパラギン酸ユニットに有機溶媒中でアルキルアミンをイオンコンプレックスの状態で導入すると、酵素分解反応を抑制できることを明らかにした。一方、このイオンコンプレックス状態で導入したアルキルアミンは、試料を酸性条件下におくことによって容易に脱離でき、酵素分解性を再度獲得できることを確認した。以上の結果より、本研究で得られた周期共重合体が、pHの変化によって生分解性誘導スイッチ機能を発現できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Chemical synthesis and functionalization of 3-hydroxybutyrate-based copolymers with periodic sequence structure2009

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      The 2nd International Conference on Bio-based Polymers 2009(ICBP2009)
    • 発表場所
      マレーシア科学大学、ペナン、マレーシア
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] 3-ヒドロキシブタン酸をベースとする周期共重合体の合成と新規機能発現2009

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学、熊本
    • 年月日
      2009-09-18

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi