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2010 年度 実績報告書

外部刺激に応答して生分解性を誘起する新規周期共重合高分子材料の創成

研究課題

研究課題/領域番号 20350072
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

阿部 英喜  独立行政法人理化学研究所, バイオプラスチック研究チーム, チームリーダー (70271541)

キーワード周期共重合体 / 連鎖構造制御 / 酵素分解 / スイッチ機能 / イオンコンプレックス / 側鎖長効果 / 3-ヒドロキシブタン酸
研究概要

これまでに合成した(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-アスパラギン酸からなる周期共重合体を用いて、生分解性誘導スイッチ機能の発現をより詳細に評価した。昨年度の成果より、側鎖をフリーのカルボン酸とした(S)-アスパラギン酸ユニットに有機溶媒中で炭素数6のアルキルアミンをイオンコンプレックスの状態で導入すると、酵素分解反応を抑制できること、また、このイオンコンプレックス状態で導入したアルキルアミンは、試料を酸性条件下におくことによって容易に脱離でき、酵素分解性を再度獲得できることを確認している。本年度は、導入するアルキルアミンの炭素鎖数を変えて、イオンコンプレックスを形成し、そのアルキル鎖長と生分解性スイッチ機能の発現に関する評価を行った。炭素鎖数4以上のアルキルアミンを導入した場合はいずれにおいても、アスパラギン酸側鎖のカルボン酸とイオンコンプレックスを形成し、酵素による分解反応を抑制することができた。しかしながら、炭素鎖数10以上のアルキルアミンを導入した場合、pHあるいは緩衝溶液の塩濃度を変化させても、酵素分解反応の再発現はできなかった。これは、長鎖アルキルアミンが水溶液中へ溶出しないためために、ポリマー分子鎖からの脱離ができなかったためと考えられる。また、アルキルアミンに変えて、アルキルジアミンを導入した場合、主にポリマーの分子鎖間でイオンコンプレックスを形成し、有機溶媒中において三次元ネットワーク構造をとったゲル状物質を得ることに成功した。この結果は、ポリマー鎖そのものの分子量が充分に大きくなくとも、固体材料としての利用を可能にする新たな方法論となることを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Synthesis and function of periodic copolymers consisting 3-hydroxybutyrate and aspartate units2010

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (PACIFICHEM 2010)
    • 発表場所
      ハワイ、USA
    • 年月日
      2010-12-17
  • [学会発表] Chemosynthesis and function of 3-hydroxybutyrate-based periodic copolymers2010

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      International Symposium on BioPolymers 2010
    • 発表場所
      スツッツガルト、ドイツ
    • 年月日
      2010-10-07
  • [学会発表] 周期配列バイオポリマーの合成、物性、生分解性に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      北海道大学、札幌
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 3-ヒドロキシブタン酸をベースとする周期共重合体の合成と生分解性制御技術の開発2010

    • 著者名/発表者名
      阿部英喜
    • 学会等名
      第59回高分子年次大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、横浜
    • 年月日
      2010-05-28

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公開日: 2012-07-19  

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