今年度は、昨年度見出したたpdA^<ChcmP>を開発し、それを末端に含む2'-0-メチルプローブおよびDNAプローブを合成した。合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、短鎖RNAおよび長鎖RNAへのハイブリダイゼーション能をUV-融解曲線を測定することにより評価した。その結果、合成したオリゴヌクレオチドプローブはいずれも短鎖RNAに対しより高い親和性を有することが分かった。また、DNAプローブに関しては様々な配列を有するプローブの合成と性質評価を行い、本研究で開発したプローブが特定の配列だけでなく、様々な配列を有する短鎖RNAに対し、選択的に結合することが明らかとなった。本年度はさらに、上記人工核酸プローブを用いたRT-PCRを開発するため、microRNAから逆転写された短いRNAを増幅するための新たなPCR法のスキームを考案し、DNAポリメラーゼ反応などのモデル反応を行った。この新しいRT-PCR法を用いることで今後新たな、microRNAなどの生体内RNAの高精度・高感度検出の開発が期待される。 さらにこれらの技術をより優れたものにするために、新たな末端修飾基として、ヌクレオシド糖部およびバックボーンを固定化した新たな修飾残基についてもその合成法を確立した。
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