研究課題/領域番号 |
20350077
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 紀子 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90199290)
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研究分担者 |
杉山 正明 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (10253395)
齊藤 毅 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (10274143)
森本 幸生 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80200450)
木野内 忠稔 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90301457)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | 蛋白質の異常凝集 / 白内障 / 老化 / ラセミ化 / 紫外線 / 加齢性疾患 / D-アミノ酸 / 皮膚の光老化 |
研究概要 |
1)蛋白質中で生じるD-β-Asp部位の立体構造上の特性:前年度までに老人性白内障の水晶体から得たβB2-クリスタリンのN末端部位とC末端部位にD-β-Asp残基を見出した。この結果からD-β-体化し易いAsp残基は立体構造上、表面に曝されたフレキシブルな構造のところであることがわかった。 2)D-β-Asp含有蛋白質抗体による水晶体以外の組織におけるD-β-Asp含有蛋白質の検出:D-β-Asp含有蛋白質抗体を用いた免疫組織染色により水晶体以外の複数の加齢組織(網膜、角膜、結膜、内耳など)の凝集沈着物質内にD-β-Asp含有蛋白質が存在していることを見出した。D-β-Aspの生成が蛋白質の凝集を惹起し、加齢性黄班変性症、角膜変性症、加齢性難聴などの発症に関与与する可能性が示された。 3)紫外線照射による蛋白質中でのD-β-Asp生成機構の解明:皮膚では加齢や紫外線照射に伴ってD-β-Asp含有蛋白質が多量に蓄積していた。しかし、Asp残基は紫外線を吸収しないため、紫外線とAspのD-β-体化の関係が不明であった。そこで本年度は紫外線を吸収するトリプトファン(Trp)残基をAspの近傍に配したペプチドを複数合成し、これらのペプチドに紫外線照射したところ、AspのD-体化が線量依存的に進行した。この結果からTrp残基が紫外線のエネルギーを吸収し、吸収したエネルギーでAsp残基がD-体化したのではないかと考えられた。 4)Asp異性体を含むペプチドおよび蛋白質の迅速分析法の開発:本研究期間を通じて、LC-MSによる結合型Asp異性体の迅速分析の新規開発に取り組み、成功した。本法の特徴は蛋白質の精製を必要とせず、微量で分析が可能である。本法の確立により短時間で多数の蛋白質試料中のAspの異性体の一斉分析が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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