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2009 年度 実績報告書

らせん高分子を用いた不揮発性FETメモリの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20350085
研究機関千葉大学

研究代表者

小林 範久  千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (50195799)

研究分担者 鎌田 俊英  産業技術総合研究所, 光技術研究部門, グループ長 (80356815)
植村 聖  産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 研究員 (50392593)
キーワードナノ材料 / 生体材料 / ポリペプチド / らせん高分子 / FETメモリ
研究概要

平成20年度の解析から,らせん高分子であるポリペプチドが主鎖配向させなくても強誘電性を示すためには,ポリペプチド分子鎖が膜厚方向でコレステリック液晶状態の配向を取ることが有効であることが明らかとなっている。また,この強誘電性は側鎖エステル基の電場配向による誘起されている可能性が高い。そこで,平成21年度は,これらのより詳細な挙動を解析するとともに,低駆動電圧化等の観点から研究を遂行した。
具体的には,ポリ(メチルグルタメート)(PMG)より嵩高い側鎖を有するポリ(ベンジルグルタメート)(PBG)を用い,薄膜を作成して,その膜構造と側鎖緩和,ならびにFETとしての特性を評価,解析した。PBGはPMGと異なり,FETメモリ挙動は認められず,この原因として側鎖間相互作用がメチル基に比べ強いため,コレステリックライクな膜構造をとれず側鎖双極子の自由度が低下したためであることがAFM,XRD,熱分析,熱刺激脱分極電流(TSDC)測定結果より明らかとなった。FETメモリ特性を示すPMGにおいても,その相転移温度近辺で熱処理し,分子鎖間を密にパッキングすることでFETメモリ特性が消失することから,側鎖双極子の電場に対する応答自由度の大きさが重要な因子であることが証明された。
そこで,PBGにおいてもFETメモリ特性を発現させることを目的として,非晶質高分子であるPMMAを混合し,PBGの結晶化を下げる試みを行った。その結果FET特性が認められるようになり,種々の解析から非晶質PMMAがPBG鎖間の凝集を抑え,側鎖の運動自由度を保ったことが明らかとなった。すなわち,側鎖構造の制御がFET特性発現さらには低駆動電圧化にも有効であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Memory Mechanism of Printable Ferroelectric TFT Memory with tertiary Structured Polypeptide as a Dielectric Layer2009

    • 著者名/発表者名
      H.Hasegawa
    • 雑誌名

      Synthetic Metals 159

      ページ: 961-964

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Properties of Conjugated Polymers Containing 3, 9- and 2, 9-Linked Carbazole Units in the Main Chain2009

    • 著者名/発表者名
      K.Tamura
    • 雑誌名

      J.Polym.Sci.Part A Polym.Chem. 47

      ページ: 3506-3517

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phthalate-derivative/TiO_2 Modified Electrode for Electrochromic Application2009

    • 著者名/発表者名
      S.Tanaka
    • 雑誌名

      Solar Energy Materials and Solar Cells 93

      ページ: 2098-2101

    • 査読あり
  • [学会発表] Influence of Substitution Group of the Side Chain of Polypeptide on the Morphology and its Hysteresis Property as a Ferroelectric Memory Device2009

    • 著者名/発表者名
      T.Inomata
    • 学会等名
      2009 International Conference on Solid State Devices and Materials
    • 発表場所
      仙台(日本)
    • 年月日
      2009-10-07
  • [学会発表] Stretching of(DNA/Functional Molecules)Complex between Electrodes Toward DNA Molecular Wire2009

    • 著者名/発表者名
      N.Kobayashi
    • 学会等名
      SPIE2009
    • 発表場所
      San Diego(USA)
    • 年月日
      2009-08-05
  • [図書] 次世代共役ポリマーの超階層制御と革新機能2009

    • 著者名/発表者名
      小林範久(分担)
    • 総ページ数
      445
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [図書] 有機半導体デバイス -基礎から最先端デバイスまで-2009

    • 著者名/発表者名
      植村聖(分担)
    • 出版者
      オーム社出版部(印刷中)
  • [備考]

    • URL

      http://photo-m.tp.chiba-u.jp/i-poly/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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