研究概要 |
拡張π電子系に溶解性と自己組織化能を付与することを目的に,分子骨格の長軸方向に長鎖アルキル基を導入した高溶解性低分子半導体を開発し,その分子物性,固体中での配向性,さらには有機トランジスタとしての特性を評価した.研究計画時に標的とした5種の分子系(ベンゾセレノベンゾセレノフェン系,ベンゾジカルコゲノフェン系,ジナフトチエノチオフェン系,チオフェン縮環ポルフィラジン系,チエノキノイド系)のすべてについて合成と評価を完了した.さらにベンゾトリチオフェン,ナフトジチオフェンといった,従来合成が極めて困難,または不可能であり材料研究の対象と成りえなかった新規の材料系についても合成法を新規に開発することで研究を行った.この結果,塗布有機トランジスタとしては世界最高の移動度10cm^2/Vsを実現できる材料の開発,大気中でも安定な塗布n型材料の開発などの成果を得た.
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