研究課題/領域番号 |
20350096
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
馮 旗 香川大学, 工学部, 教授 (80274356)
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研究分担者 |
田中 康弘 香川大学, 工学部, 准教授 (10217086)
伊藤 覚 香川大学, 大学本部, 理事 (60112249)
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キーワード | TiO_2ナノ粒子 / 色素増感型太陽電池 / 露出結晶面の制御 / 高い色素吸着量 / チタン酸ナノシート / 水熱ソフト化学反応 / 粒子形状制御 / 光触媒 |
研究概要 |
本研究は、層状チタン酸ナノシートから特定の結晶面を露出するアナターゼ型TiO_2ナノ粒子の新規合成プロセスを開発し、特定の結晶面における光触媒特性や色素吸着・増感特性を解明することを目的とし、H22年度は、以下の内容の研究を行った。 H21年度まではLepidocrocite構造をもつ層状チタン酸ナノシートを水熱処理して(010)結晶面を多く露出する正方形、菱形、葉っぱ状などのアナターゼ型TiO_2ナノ粒子を合成した。H22年度は(010)結晶面を多く露出するTiO_2ナノ粒子の色素吸着特性と色素増感型太陽電池の特性との関連性を重点的に調べた。色素太陽電池用N719色素の吸着等温線から色素の飽和吸着量、吸着平衡定数を求めた。これらの結果から(010)結晶面はN719色素の吸着量が高いことがわかった。合成したアナターゼ型TiO_2ナノ粒子を用いて色素増感型太陽電池を作製し、太陽電池特性を評価した。比表面積あたりの色素吸着量の高いTiO_2ナノ粒子は高い開路電圧値を示し、色素の吸着量と増加に伴い、開路電圧値が直線的に増加する。一方、吸着平衡定数の高いTiO_2ナノ粒子は高い短絡電流値を示し、吸着平衡定数の増加に伴い、対数的に増加する。このように吸着パラメーターと太陽電池特性パラメーターとの定量的相関関係を初めて明らかにした。この関係を用いて、色素の吸着データから太陽電池の特性を予測する方法を提案した。さらに(010)結晶面を多く露出する正方形TiO_2ナノ粒子はこれまで最高の短絡電流値を実現できることを明らかにした。また、四チタン酸や三チタン酸ナノシートを水熱処理してTiO_2ナノ粒子を合成し、[11-1]軸に垂直する結晶面を有するTiO_2ナノ粒子の合成に成功し、結晶面制御が可能であることを実証した。
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