研究課題
新しいハーフメタル物質探索実験を進めた結果、NaOsO3という組成を有する新物質の合成に成功した。NaOsO3の合成については、既に1974年に発表されたSleight論文で、短く報告されているが、具体的なデーター等が示されていないため、我々が2009年に合成した物質と同一か判定できない。我々は注意深く合成実験を進め、単結晶を育成し、電子物性について検討を進めた結果、残念ながらハーフメタル状態を有さないことが分かった。しかし、室温で明瞭な金属絶縁体転移を示すことから、将来有用である可能性が考えられるため、さらに研究を進めた。この転移は比較的よく理解されている1次相転移ではなく、格子変形を伴わない2次相転移である可能性が高い。通常、金属絶縁体転移は低次元伝導体などで格子変形と同時に、しかも極低温で観測される場合が多い。等方的な構造を有するペロブスカイト型物質で、さらに室温付近で、格子系の異常を伴わずに観測されたことは、研究代表者が知る限りなく、極めて学術的に興味深く、新規な応用展開の可能性を示唆している。今後さらに研究を深めることを検討している。
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