研究課題
本研究では、酸素、炭素、窒素などの超音速分子ビームおよび高速原子・分子(イオン)ビームを用いて半導体や金属表面での化学反応を誘起し、極薄酸化膜・窒化膜・炭化膜の形成を高精度に制御することを目的としている。さらに、大型放射光施設(SPring-8)の軟X線放射光を活用して、その反応過程を高速にリアルタイムその場光電子分光観察することを目指している。平成21年度では以下の成果を得た。(1)高速原子・分子(イオン)ビーム装置におけるフィラメント型イオン源の開発:高速原子・分子(イオン)ビーム装置では、現用のコールドカソード型プラズマイオン源をフィラメント型イオン源に交換する装置の改造・改良を検討した。それによってイオンの初期エネルギーを数eV程度に低減することを目指した。(2)連続噴射型超音速分子ビーム源の開発:超音速配向分子ビーム装置では、「ガス導入機構接続チェンバ」を設計・製作して、前年度に製作した連続噴射型超音速分子ビーム源を装着し、それらを既存のX線光電子分光装置に接続して、同一試料に対して超音速分子ビーム照射と高速原子・分子(イオン)ビーム照射を可能とし、さらに照射面のX線光電子分光観察を可能とした。(3)超音速分子ビームを援用した放射光光電子分光装置の活用:東北大学通研、東北大学多元研、京都大学理学部/コベルコ科研、横浜国立大学工学部、大阪府立大学、大阪大学理学部、大阪大学工学部と共同研究を実施して、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ルテニウム、銅の酸化反応、タングステンの炭化反応、それらの表面の放射光光電子分光分析など、多数の成果を得た。
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