従来からの予備実験で使用してきたアゾベンゼンドープ高分子複合体液晶を用い、「3次元ベクトルホログラム実証光学系」を用い、3次元ベクトルホログラムの書き込み・評価・実証を継続した。実証光学系は、実時間3次元ベクトルホログラムの実証を目的としており、書き込み光として用いる高出力DPSSレーザー(波長488nm)、プローブとして用いるHe・Neレーザー(波長633nm)からなる。さらに、3次元ベクトルホログラムでは、光学的異方性が3次元的に分布した構造が形成されるため、書き込み光の入射角依存性を観察するための回転試料台、読み出し光の入射角依存性を観察するための移動式ミラー、などの光学系からなっている。本申請に関わる2年目においては、これらの実験結果を、Extended Jones Matrix法、4×4Matrix法、FDTD法、などのシミュレーション技術を用いて解析し、そのメカニズムを詳細に理解することに成功した。また、書込光が軸対象な偏光を有する特殊偏光を用いた書込・再生実験を開始した。
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