研究課題/領域番号 |
20360030
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
川田 善正 静岡大学, 工学部, 教授 (70221900)
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研究分担者 |
金子 透 静岡大学, 工学部, 教授 (50293600)
江上 力 静岡大学, 工学部, 教授 (70262798)
宮川 厚夫 静岡大学, 工学部, 学術研究員 (10283376)
居波 渉 静岡大学, 若手グローバル研究リーダー育成拠点, 特任助教 (30542815)
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キーワード | 光計測 / 近接場光学 / 電子顕微鏡 / 光電変換 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
本研究では、光を用いて生物試料などを実時間で観察でき、ナノメートルオーダーの空間分解能を有する実時間・ナノイメージング法を開発することを目的とし、実際にシステムを試作し、生きた生物試料を高分解能に観察するための技術開発および理論構築を行なうことを目的として研究を進めてきた。開発を進めている顕微鏡は、走査型電子顕微鏡によって微小点光源を発光させるとともに、電子線を走査することによって、実時間および高分解能を実現するものである。今年度は、蛍光薄膜内での電子線をモンテカルロシミュレーション法を用いて解析し、その散乱形状からFDTD法を用いて光伝搬を解析した。その結果、蛍光薄膜から10nm離れた領域で25nmの集光スポットが形成され、十分高い分解能が実現可能であることを理論的に確認した。 最適な蛍光膜について、昨年に引き続き検討した。スパッタによる製膜条件を明らかにし、ZnOを50~500nmの範囲で制御した。作製したZnO膜をアニーリングすることにより、電子線で励起した場合に蛍光強度が大きく増強することを示した。 また、蛍光ラベルした電子線で直接励起する手法についても検討を行なった。この手法では、大気圧と真空を分離するSiN薄膜を電子線が透過し、生物細胞をラベルした蛍光色素を直接励起するシステムである。蛍光粒子としてZnOについて検討し、SiN膜上に配置した直径100nmのZnO微粒子の観察した。その結果、提案した手法が100nm以下分解能で個々の粒子を分割して観察できることを確認した。この結果より、提案した顕微鏡が、従来の光学顕微鏡の空間分解能を超える分解能を有することを示した。
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