(1) 紫外光下2段階電圧印加分極反転法の特性解明 0.5mm厚のz板MgO:LiNbO_3に周期19μmの周期分極反転構造を作製する条件を確立した。波長313nm紫外光(強度1.6mW/cm^2)照射下での1.5kVの電圧印加と、それに続く紫外光照射無での2.5kVの電圧印加を行った。第1段階の電圧印加で紫外光照射部の-Z面近傍(深さ~5μm)に分極反転領域が形成され、第2段階印加で-Z面近傍に第1段階印加による分極反転領域がない部分において貫通反転が生じ、結晶内部ほぼ全域で+Z面まで貫通する周期分極反転構造が得られた。結晶貫通電荷量の制御、金属一様電極装荷による印加電圧均一性向上、スペーサ挿入による液体電極層厚再現性向上により作製再現性が向上した。実績比5倍の大面積(30×8mm^2)構造の作製に成功した。 (2) 微細周期分極反転構造作製技術確立 周期6μmの微細周期分極反転構造の作製を試みた。紫外光非照射部でも反転が生じて一様反転となり易いことが分かった。回折が顕著に生じるためと考えている。非照射部での反転抑制のため、光導電膜を塗布した結晶を用いることを試みた。均一性に改善の余地があるものの、周期6μmの分極反転構造を作製することができた。 (3) MgO添加LiNbO_3擬似位相整合非線形光学波長変換デバイスの試作と評価 (1)で作製した周期分極反転構造を用いて導波路擬似位相整合第2高調波発生デバイスを作製した。波長1552nm励起光入射時に擬似位相整合による第2高調波が得られた。理論予測に近い励起光波長受容幅(0.44nm)と規格化変換効率(73%/W)を得た。これより、紫外光下2段階電圧印加法の導波路擬似位相整合デバイス作製に対する有用性が実証できた。
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