研究課題
次世代光ディスクメモリとして1テラバイト超の記録容量の実現に向けて、記録材料収縮モデルを導入した共焦点3次元スペックル多重記録の解析を行い、材料開発の指針を与えること及び、画像符号化による記録容量の向上を行った。記録材料が局所的な露光量に依存して収縮する局所収縮モデルを含有したホログラフィックメモリシミュレータを用い、記録材料に局所収縮性がある場合のスペックル多重記録特性について評価した。その結果、160GBの容量記録を実現するための記録材料の許容収縮率は0.2%程度であることを明らかにした。局所収縮モデルの有効性を検証するために、角度多重記録によるシミュレーション及び実験を行った。シミュレーション結果から、局所収縮では一様収縮と比較して、角度選択性において角度シフト量が減少し、角度選択性のグラフにおいて非対称性が発現されることを予言した。実験では、信号光をレンズで集光することで、記録媒体の厚さ方向に対して局所的な光強度分布を与えた。その結果、角度選択性のグラフにおいてシミュレーション結果と同じ傾向の非対称性が確認された。しかし、角度選択性における角度シフト量については、実験結果とシミュレーション結果で定量的な一致を得ることができなかった。今後の課題として、露光分布の体積を考慮した局所収縮モデルの改良が必要であることを明らかにした。最後に、振幅変調を用いた従来の符号化方式に加えて、位相変調を行う新規の符号化法を提案した。位相変調符号を強度変調として読み取るため、画像解像度を低くして、位相による強度の強め合いと弱め合いを検出する。1ページあたりのデータ量に対する符号化によるデータ量の比を符号化率と定義すると、振幅変調と位相変調を併用することで、従来の符号化方式と比較して、最大で1.5倍の符号化率を実現できることを示した。
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Optical Review, Vol.18, No.1, pp.187-190(2011).
巻: 18 ページ: 187-190
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