研究概要 |
光による化学反応制御や分子マニピュレーションへの実現に向けて、強光子場(>10^<15>W/cm^2)を維持しつつ、広範囲(紫外~赤外)で波長可変できる光パラメトリックチャープパルス増幅技術を確立することを目的とし、今年度は下記2項目について研究開発を実施した。 (1)近赤外領域における広帯域光パラメトリックチャープパルス増幅器の開発 近赤外領域で吸収が少なく、高い光耐力性を有するBBO結晶(有効サイズ10mmx10mm,厚さ10mm)を光パラメトリック増幅器として用い、光パラメトリック過程で発生するアイドラー光を用いて光パラメトリック増幅を行った結果、中心波長2300nm、最大エネルギー150μJのアイドラー光が得られ、当該年度目標である近赤外領域における光パラメトリック増幅が可能であることを実証した。 (2)光パラメトリック増幅光の特性評価 得られた光パラメトリック増幅光の位相情報を測定するために、エタロンによって生成される2波長のチャープパルスと被計測光との周波数シェアリング干渉を計測する位相計測装置を構築した。これによって光パラメトリック増幅光の4次までのスペクトル位相を測定することが可能になり、光パルスの特性評価をリアルタイムで行うことが可能となった。
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