研究概要 |
光による化学反応制御や分子マニピュレーションへの実現に向けて、強光子場(>10^<15>W/cm^2)を維持しつつ、広範囲(紫外~赤外)で波長可変できる光パラメトリックチャープパルス増幅技術を確立することを目的とし、今年度は下記項目について研究開発を実施した。 (1)中赤外領域における広帯域光パラメトリック増幅器の開発 より長波長域(>2,000nm)での光パラメトリック増幅試験を行い、中赤外領域での波長可変レーザー光源の開発を行った。 本実験では中赤外光の発生に光パラメトリック発振器(OPO)を用いた。OPOの励起光源には,Q-スイッチNd:YAGレーザー(波長:1064nm、繰り返し数:10Hz)を用いた。OPOの共振器は平面の誘電体多層膜出力ミラーとシルバーコーティングの金属ミラーで構成し、共振器長は25mmに設定した。また、LHnSe2結晶(5mm x 7mm x 20mm、φ34度、タイプ2)をOPOの非線形結晶に用い、発振波長のチューニングには本結晶の角度を調整することにより、シグナル光として1213nm~1302nm、アイドラー光として5.8μm~8.7μmの波長可変中赤外レーザー光の発生に成功した。
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