研究課題
本研究では、プラズマを用いてナノブロックの3次元構造体の作製と配置を実現する工場を構築するため、その要素技術であるナノブロックの輸送と配置についての科学・技術基盤を確立することを目的としている。具体的には、ナノブロックとしてナノ粒子を用い、ナノ粒子がプラズマ中で帯電することを利用して、その収束ビームとビーム走査を実現するとともに、プラズマ異方性製膜を応用し、ナノ粒子の大量輸送と基板平面上の微細構造への自由な配置を実現する。今年度は、ナノ粒子の輸送と基板への配置の制御について研究を行った。まず、水素プラズマとカーボン壁の相互作用で発生した1ミクロン以下のナノ粒子を5つの基板へ同時に-80Vから+20Vの範囲で違うバイアス電圧を印加して、粒子の基板へのフラックス量を測定したところ、4x10^4m^<-2>s^<-1>から4x10^6m^<-2>s^<-1>へ増加した。この結果は基板への局所的なバイアスにより、ナノ粒子の輸送を局所的に制御できることを示している。次に、ナノ粒子の基板表面での付着確率を明らかにするため、振幅変調放電を用いて、ナノ粒子をトレンチ基板へと高速輸送し、堆積形状を測定した。振幅変調あり・なしの場合のトレンチ上面と底面の膜圧費のアスペクト比依存性を計測した。振幅変調なしと比べると振幅変調ありが、膜厚比が大きい。膜厚比から推定した付着確率は振幅変調ありの場合の付着確率が変調なしに比べて大きく、かつアスペクト比の増加とともに、付着確率が減少する傾向にあった。本来付着係数はアスペクト比に依存しない。ナノ粒子が電場やイオン抗力の影響を受けたためにみかけの付着係数が影響をけたことが考えられる。この結果は、振幅変調を用いることで、微細構造へのナノ粒子の輸送制御が可能であることを示唆している。
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Proceedings of IEEE TENCON 2010
ページ: 2199-2201
Proceedings of 63^<rd> Annual Gaseous Electronics Conference and 7th International Conference on Reactive Plasmas
ページ: CTP.00114