研究課題
本研究課題は、X線医用イメージングで一般に用いられるX線管球に対して、単色性、エネルギー可変性、短パルス性、可干渉性等に高い優位性を持つ小型のレーザーコンプトン散乱(Laser Compton Scattering;LCS)X線発生装置の高性能化と、その微小血管造影やコントラストのつき難い軟組織の低被曝・高精細イメージングへの適用可能性を検証することを目的としている。今年度は、LCS-X線の収量増加のため、マルチパルス・レーザーコンプトン散乱実験用再生増幅型Ti-Saレーザー共振器の設計を行い、その製作を進めた。本手法では、共振器内に10J(100mJx100パルス)のエネルギーを蓄積することを目標としているため、ミラー表面や増幅媒質内でのレーザー強度が高く、励起用レーザー強度の変動や光学コンポーネントの損傷閾値のばらつきがレーザー性能を大きく左右する。そのため、コンポーネント配置やミラーの曲率等について設計値を参考にしつつ実験的に決定する作業を行った。LCS集光点サイズ、空間モード、スペクトル等の詳細な測定は次年度に行う予定である。LCS衝突用マルチバンチ電子ビームに関しては、電子銃にCs_2Teフォトカソードを導入して100バンチ電子ビームの発生・加速実験を進めており、開発中のTi-Saレーザー共振器と組み合わせることによりX線収量の100倍の増強が期待できる。またLCS-X線を用いた低被曝・高精細医用イメージング実現に向けて、所外の研究分担者を交えて被曝線量測定に関する検討を開始するともに、イメージング実験について討論を行った。
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