研究課題/領域番号 |
20360045
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉山 雄規 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20196778)
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研究分担者 |
只木 進一 佐賀大学, 総合情報基盤センター, 教授 (00202169)
菊池 誠 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (50195210)
中山 章宏 名城大学, 理工学部, 教授 (60212106)
湯川 諭 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20292899)
柴田 章博 高エネルギー加速器研究機構, 共通基盤施設計算科学センター, 研究機関講師 (30290852)
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キーワード | 交通流 / 自己駆動粒子 / 渋滞 / 動的相転移 / 非平衡散逸系 / 複雑系 / Hopf分岐 / シミュレーション科学 |
研究概要 |
渋滞および動的クラスタ発生の力学的機構は、「粒子集団の多体効果による揺らぎの増幅による一様状態の不安定化」による動的相転移が「マクロな動的クラスタの形成によるシステム全体の安定化」と考えられる。実証実験として、交通流の渋滞形成における非平衡過程の時系列詳細データの計測のため、ドーム球場を利用する円形サーキットにおける走行実験を、天井の全周カメラによる動画像及びレーザースキャナによる計測の方法を開発しチェックし、本実験の準備をした。また、ネットワークトラフィックのデータ計測のため機器を搬入し計測を始め、収集データを解析した。 自己駆動粒子系の数理模型(OV模型)は、非線型非対称力による散逸系として、交通流をはじめ多くの流動粒子系に共通の物理的特徴を示す。そのクラスタ形成の動的相転移現象が、新しい型のHopf分岐として理解できることを示した。追従性と排除性を持つ3次元OV模型による群れ形成のシミュレータを試作し試行実験を行なった。非対称相互作用における粒子系は、非平衡系における粒子密度をパラメータとする動的相転移を示し、少数でも多体効果を引き起こし、冪乗則のゆらぎを示し、マクロなクラスタの形成とその多彩な形体と多自由度の運動は、生物系の現象を物理学的に説明する力学としての可能性を示すことを明らかにした。
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