研究課題/領域番号 |
20360050
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
河井 昌道 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90169673)
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研究分担者 |
松田 哲也 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (90345926)
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キーワード | 複合材料 / 疲労 / 等寿命線図 / 非相似形等寿命線図 / 応力比 / 温度依存性 / 吸水依存性 / トランスバース疲労 |
研究概要 |
交付申請書の研究実施計画に記載した通り、以下の二つの内容について研究した。 1.試験温度がドライ材の等寿命線図に及ぼす影響の解明:水分を含まないドライな状態の平滑材試験片を用いて異なる応力比の疲労試験を室温と高温で行い、試験温度の違いが等寿命線図に及ぼす影響を明らかにした。具体的には、擬似等方CFRP積層板を用い、異なる試験温度のそれぞれについて、静的引張試験と静的圧縮試験、および応力比R=0.1、0.5、10、2.0、-1.0、x(臨界応力比=圧縮強度/引張強度)による定常疲労試験を実施した。また、得られた試験結果に基づいて、研究代表者が提案する非相似形等寿命曲線の高温疲労条件での適用性を評価した。この結果、以下の成果が導かれた。(1)試験温度が高くなるに伴い、臨界応力比の値が大きくなる。これに呼応して、等寿命線図は右側に傾きながら、入れ子状の形状に遷移する。(2)予測した非相似形等寿命曲線は、試験温度に拘わらず、実験から求めた等寿命線図と良好に一致する。これらの成果は複合材料の繊維支配形疲労挙動の温度依存性の解明に貢献している。 2.積層方向の室温疲労荷重がドライ材の等寿命線図に及ぼす影響の解明:厚さの異なる一方向積層板[90]n(n=12、16、20)の疲労挙動と等寿命線図を調べた。この結果、以下の成果が導かれた。(1)引張一引張疲労は応力比の影響を強く受けるが、圧縮一圧縮疲労に及ぼす応力比の影響は小さい。(2)板厚の違いが疲労挙動に及ぼす影響は、引張疲労については顕著であるが、圧縮疲労については小さい。(3)非相似形等寿命線図をトランスバース疲労に応用した場合、圧縮疲労について記述精度が低くなる。(4)この問題を克服するため、修正された非相似形等寿命線図を開発した。これらの成果は非相似形等寿命線図が有効となるメカニズムのヒントを与えている。。
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