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2010 年度 実績報告書

その場観察統合化ナノメカニカルテスティングによる環境ぜい化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20360054
研究機関大阪大学

研究代表者

箕島 弘二  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50174107)

研究分担者 平方 寛之  大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40362454)
米津 明生  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40398566)
キーワードその場観察 / ナノメカニカルテスティング / 環境ぜい化
研究概要

その場観察統合化ナノメカニカルテスティングシステムを用いて,前年度に引き続いて蒸着により成膜したナノ金属薄膜の変形特性について検討を加えるとともに,高強度鋼に対して押し込み負荷によるき裂発生に及ぼす水素吸蔵の影響について検討を加えた。水素を吸蔵していない処女材では押し込み負荷により圧痕は生じるものの,圧痕からき裂の発生・進展は見られないのに対して,水素を吸蔵させた条件下ではリングクラックとラテラルクラックを生じ,それらのき裂長さは水素吸蔵量が増えるほど長くなった。これらのき裂の発生時期をアコースティックエミッション法により同定するとともに,弾塑性有限要素解析を用いて押し込み負荷時の圧痕周囲の3次元応力解析を実施することにより,ラテラルクラック,リングクラックいずれも材料中のある局所領域の引張主応力がある限界値を超える時に発生すること,しかもその限界主応力はラテラルクラックとリングクラックとで等しいこと,さらにき裂発生を同定した時期ならびに発生場所は応力解析結果と良い一致を見た。さらに,これらのき裂の停止条件は本材料の応力腐食割れの下限界値K_<ISCC>と一致した。これらにより,平滑試験片や破壊力学試験片を用いた手法では長時間の試験が必要となる環境ぜい化き裂発生や進展の下限界特性評価を,比較的簡便かつ短時間で実施できる押し込み試験で評価できる可能性を明らかにした。さらに,高強度鋼においては非拡散性水素を吸蔵することにより疲労強度が低下,あるいは疲労き裂進展速度が上昇するが,この劣化機構を解明するために,その場動的応力下局在化水素解析技術(水素マイクロプリント法)を適用することにより,非拡散性水素のトラップサイトより水素が脱離することを実証し,さらにその脱離の力学条件を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 非拡散性水素吸蔵条件下における伸線強加工高強度鋼の疲労き裂進展特性と脱離水素の可視化2010

    • 著者名/発表者名
      中谷正憲, 藤原弘章, 崎原雅之, 箕島弘二
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集A編

      巻: 76 ページ: 1214-1220

    • 査読あり
  • [学会発表] 非拡散性水素脱離による高強度鋼の疲労き裂進展の加速と脱離の力学条件2010

    • 著者名/発表者名
      中谷正憲, 藤原弘章, 崎原雅之, 箕島弘二
    • 学会等名
      疲労シンポジウム
    • 発表場所
      高知城ホール(高知市)
    • 年月日
      2010-10-28
  • [学会発表] 伸線強加工高強度鋼の疲労き裂進展特性に及ぼす非拡散性水素の影響と脱離水素の可視化2010

    • 著者名/発表者名
      中谷正憲, 藤原弘章, 崎原雅之, 箕島弘二
    • 学会等名
      CAMP-ISIJシンポジウム「水素脆化研究の基盤構築を目指して」
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2010-09-26

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公開日: 2012-07-19  

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