研究概要 |
2009年度は,竹繊維から取り出されるナノファイバークラスターに関し,その基礎と応用について以下を実施するとともに新機能についても追求した. 予備実験によれば,水性エマルジョンBNFCに,1:9の割合でエタノールを加え,脱水すればBNFCを取り囲む水は徐々にエタノールに置き換えられる.エポキシ樹脂にエタノールは可溶である.そこで,両者は容易に混合できる.エタノールの量が多ければ,混合物の粘度は低く,超音波ホモジナイザー(科研費で購入)で均一分散できる.その後,真空乾燥機でエポキシ樹脂からエタノールを取り除けば,BNFCが極めて均一に分散した光効果エポキシ樹脂が得られる.エタノールがエポキシ樹脂を劣化させることはない.2009年度の研究成果は以下の通りである。 1.光硬化・造形特性を失わず,成形性が維持でき,じん性が最も増進される混合率,BNFCの形態を明らかにした。本研究の結果,BNMCが2%までは光硬化エポキシ樹脂は高じん化できるが,BNFCの増加とともに,BNFC混入エポキシ樹脂の粘度は急激に増し,本樹脂の本来の目的:光硬化・造形特性を失われてしまう。そのため,1%までが実用上の上限であることが明らかとなった。 2.本材料で光造形・成形されたミクロ試験片を用い,マイクロサーボ試験機(現有)により疲労試験を行い,その耐久性を明らかにした。その結果,耐久性は向上することが明らかとなった。ミクロ試験片は小型光造形システム(科研費で購入)を用い,光造形法により作成した. 3.BNFC添加CFRPの耐久性(疲労寿命)を6~7倍向上させられることがわかった。このとき,CFRPの成形にはハンドレイアップ法を用いたが,成形性の観点から,光硬化・造詣のエポキシ樹脂の場合と同様,1%までがBNFCの含有の限度である。しかし,耐久性に硬化のあるBNFC含有率は0.3%であった。
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